6.新たな問題

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 言えなかった。  自分の始めた遊び、それによる友人の変化、そして事件との類似……。  すべて話し終えた私に、畑野さんは上着の内ポケットから何かを取り出して見せた。 「それ、私の携帯です……」  私がそう呟くと畑野さんは 「やはりそうですよね」 と言って顔をしかめる。なんだろう、何か嫌な雰囲気が漂ってる。 「実は申し訳ないとは思ったのですがね、この携帯の中身を見せていただいたんですよ」 「――――!?」  見られた……、あのメールが。私は自分でも分かるくらいに冷や汗を流して震えていた。しかし私の意に反して、畑野さんの口からおかしなことを告げられる。 「電源を入れて発着信やメールの送受信。あとデータボックスとー、そうそう電話帳ね。全部見たんですけどなぁんにもないんですよ」 「……それってどういう?」  言っている意味がよく分からない。何もない? 「なんて言ったらいいかなぁ。つまりは、携帯を買ってきたばかりみたいな状態なんです」  畑野さんの言葉に良太が驚いている。もちろん私だって驚いてる。良太は畑野さんに許可をとって携帯をいじって確認したけど、本当に何もないらしい。 (どうして?)
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