6.新たな問題

5/7
前へ
/68ページ
次へ
 一応私も確認してみようと思い良太から携帯を受け取った。 ブー……ブー……  途端に携帯のバイブがメール着信を知らせる。 「きゃっ!?」  私は驚いて携帯をベッドの上に放り投げてしまった。  畑野さんも良太も驚いている。畑野さんが開かれたままの携帯を手に取って画面を見た。 「メールだねぇ」  そう呟いてカチカチと音をさせながら携帯をいじっている。 「このメールアドレスどっかで見たな……」  畑野さんは上着の内ポケットから今度は別の携帯を取り出して何か操作し始めた。わけが分からずそれを眺めていると畑野さんの顔色が急に変わった。 「尾池 孝史のメールアドレスだ」  私の携帯に孝史からのメールが? 知ってるはずない。というか今畑野さんが持っているもう一つの携帯が孝史のものなら、何故送ってもないメールが私の携帯に届くの?孝史は死んだのに……。 「何だこりゃあっ」  メールを開いた畑野さんが素っ頓狂な声をあげた。良太も携帯の画面を覗き込んで怯えた表情を浮かべている。ゆっくりと畑野さんが私にもそれを見せてくれた。 【オレの小織、もう離れたところから見つめるだけの生活は終わったよ。これからはずーっとそばに居るからね】
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1660人が本棚に入れています
本棚に追加