6.新たな問題

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 これは何だろう――? 「だ、誰のいたずらだよっ」  良太が携帯を握りしめて何か操作をしている。メールを削除しているみたいだけどうまく消せないようだ。 「どうして消えないんだっ!」 「落ち着いて下さい、安藤さん」  畑野さんは苛立つ良太を制して携帯を受け取った。そして携帯を預からせて下さいと静かに私に語りかけてくる。私はこんな恐ろしい携帯は要らない、そう思った。 「そんなの要りません……。用が済んだら廃棄してください――――」  畑野さんは苦笑いを残して去って行った。良太は畑野さんをロビーまで送って行くと言って一緒に部屋を出て行く。扉が閉まる音が静かに室内に響いて、一人残された私はゆっくりとベッドに身体を沈めた。 「はぁ……」  自然とため息が漏れる。  携帯は警察が処分してくれるから問題ない、よね。 ――――ブーブーッ 「なにっ!?」  どこからか携帯のバイブの音がする、怖い――。  どうしよう、どこから聞こえるのかしら。いつまでも消えないその音の主、携帯を探すためにベッドから下りて部屋中を見て回る。 ――どこにもないのに鳴ってる。
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