1.安藤 小織

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 私は部屋に入って右奥の壁際にある、二人掛けようのピンク色のソファーに腰を下ろした。  この部屋に窓は1つで、それは天井に取り付けてある。月が綺麗に見える夜は、そこから月光が差し込んでとても綺麗だ。  でも今は外から見えないように白い布が張ってある。まさかとは思うけど、孝史が屋根に上っても覗けないようにしたの。だから今はその白い布越しに太陽の光が差し込んできている。  ソファーに置いてある、ピンク色で花柄の刺繍が施されている大きなクッションを抱きしめながら、私はサイトにアクセスした。  私の紹介文を載せているページに飛ぶと、そこに気になる書き込みを見つけた。 【二十九歳の主婦です。今、夫からの暴力にひたすら怯えて暮らしてます。良かったらお互いに相談しあいませんか?】
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