2.山浦 和美

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 返事は思ったより早く来た。  それを書いた数分後にその女性からメールが来た。  ここのサイトはメアドを登録しておくと、相手に知らせることなくメール交換ができる。その女性から来たメールにはこう書いてあった。 【初めまして。私は小織っていいます。書き込みありがとうございます、すごく嬉しかったです! あの、もしご迷惑でなければ直接メールしませんか?】  アタシはすぐに返事を書いた。簡単な挨拶と自己紹介、それとメアド。アタシも直接話してみたかったから。  送信してから数分後、知らないメアドからメールが届いた。小織ですと書かれたメールの題名を見て飛び上がるくらい嬉しかった。こんな気持ちは久しぶり。家中を走り回りたい気分。  それから何時間もメールのやり取りをしたわ。小織のこともだいたい分かってきたし。“元・浮気相手にストーカーされるなんて間抜けよね”、なんて小織が言ってきたから、アタシはそれを思い切り否定したのを覚えてる。  小織だってアタシの弱気なメール文を見て、丁寧に柔らかくそれを包むような返事をくれた。  アタシは今や世の中から懸念されてる“出会い系サイト”に感謝した。これは最高の出会い。今日、渉に殴られてもきっと堪えられる。アタシには小織がついてるんだから…………。
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