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まだ、問題はいくつかある。
それでも、父と向き合えたことは大きかった。
明朝、明るい太陽の下で、
自分の中の変化を実感した時、
新しい一歩が踏み出せる、
透子はそんな予感がして、
ワクワクした。
明日がくるのが楽しみで、
ゾクゾクする。
そんな気持ちになるのは、もしかしたら、幼少の頃以来かもしれない。
いつでもどこか不安を拭いされずに、過ごしてきた。
今日の昼まで、そうだったのに。
透子は目をまた瞑ってみた。
目の前に大きな両開きの扉が浮かぶ。
ああ…これはもしかしたら、
夢の続きかもしれない。
扉の隙間から、眩い光が漏れている。
扉の先に行ってみたい。
あの扉を開けるんだ。
そうしたらきっと、
新しい自分に出会えるから…。
―終―
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