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ある時携帯電話が僕に向かって突然ささやいた。
『ぼくはもう疲れたよ・・・、
君はそろそろ新しい携帯電話機を持つといい。』
突然の事に驚いていると再び携帯電話が語り出した。
『僕は君の電話やメールの内容全部覚えているんだよ。愛の告白をしたこともあったね、悩みを打ち明けあった友人もいたね。すべてが僕にとって大切な思い出なんだ。僕には君しかいなかったから・・・
君に使ってもらえて本当によかった。いままでありがとう。次の子も大切に使ってあげてね。
それじゃぁそろそろお別れだ・・・また生まれ変わっても君に使ってもらえますよ・・う・・に・・・』
そう言い残して静かに電源が切れた。
真っ暗になった画面を見ながら涙を流している自分に気づく・・・
ありがとう。そしてサヨウナラ・・・
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