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生まれ育った町に…滑り台、ブランコ、鉄棒、砂場しかないちっぽけな公園の向かい側にちっぽけな神社があった。
小さな頃は公園よりも神社が好きだった。学校の帰り…辛いとき…泣きたい時、気が済むまでここで泣いて何もなかったように家に帰ったり…
唯一いい思い出があって
誰も人がいない神社だから…
初夏の眩しい日差しの中で木々のこもれびが照らされる鳥居の下に足を運んだ。
この日も私は一人で泣きに来た。
いつもの様に…
誰もいないはずのこの神社で…
私は鳥居から一歩踏み出そうと前を向いた。
……
人が…いる。
しかもお堂の真ん中で寝てる…
気持ちの中で自分の陣地を踏みにじられた気がした。
一歩一歩進む度にイライラしている私。
一歩一歩進む度にスヤスヤと隠れ日の中で気持ち良さそうに寝ている人の顔が見えた。
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