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子供達の黒い影が伸びて笑う。
私を取り囲み踊りながら。
そう、まるで輪舞(ロンド)を踊るように。
「ひーと殺し♪人殺しっ♪」
子供達は歌いながら私の周りを回る。
私は手にしていた鍬を取り落とす。
そして、両手で頭を抱えてうずくまった。
「ひーと殺し♪人殺しっ♪」
違う、違う!殺すつもりはなかったんだ!!
「ひーと殺し♪人殺しっ♪」
助かることで必死だったんだ!こうしなければ私が殺されてたんだ!
「ひーと殺し♪人殺しっ♪」
「そーの血ぃーはだーれの血?」
新たな歌詞。
ふと自分の体を見ると、着ている服も腕にも足にも、手にしていた鍬にも赤黒いモノがこびり付いていた。
誰の血だって?
腕や服に付いているのは、私と弘哉と槙斗の血。
他は?鍬に付いている血は誰のモノ?
「お前が殺した奴の血だっ♪」
糸の切れた操り人形のように、床の上に倒れ動かない子供達が声を揃えて歌う。
私は……人殺し…?
「ひーと殺し♪人殺しっ♪」
この子達は私が殺した…。
「ひっとごーろしはさーいごに♪」
「死刑にされてーっ首ちょんぱー♪」
私は、死神の鎌を片手に歩み寄る子供に気付かなかった。
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