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授業中当てられないように祈るし、当てられたらあてられたらで、不服そうな顔を見せながらでもちゃんと答える。
この“不服そうな”顔がコツなのだ。
そうすれば勉強できる嫌な奴だとは思われないし(まぁ、元々私はそんな出来る方じゃないけど)、教師からもちゃらけてるだけだと思われるから。
ちゃらけてるだけで、ホントは真面目な生徒だと誤認識を与えておくだけ。
友達関係もそつなくこなし、クラスの中心にあまり関わらないようにする。
目指すのは小市民。
だからといって無視したりするわけじゃない。必要なときしかコミュニケーションを取らないだけだ。
ほら、どこのクラスにも大抵いるでしょう? あまり目立つわけではないけれど、友人が沢山いる人が。
私はそれを目指して頑張っているの。
そんな風にし、小さな“グループ”のメンバーになって私は生活している。
これで『目立たないけど暗くなくて、反抗もしない扱いやすい良い生徒』こと『目立たないけど、付き合ったらそこそこ楽しくて全然嫌な奴じゃない、むしろ親しみやすいイイ人』こと私──小市民・不思議野有栖の完成だ。
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