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「晃ちゃん、最近携帯見てること多いね。なにしてるん?」
彼女に言われた。
「いやちょっとね、面白いんだよ。なんか電車男の世界みたいでさ」
「ふぅん。私もやってみようかな。ねぇねぇそれよりさ、晃ちゃんのお母さん、私のことなんか言ってた?」
彼女に聞かれた。
その時の僕は付き合ってる彼女に偽った自分を見せていたんだ。
カッコつけて、親との会話の内容も彼女には嘘をついていた。
本当は僕の親は彼女を嫌っていたのに。
「うん、また遊びにおいでってさ。」
「そっか!わかった!」
彼女はなにも気付かずに答えた。
その日から、彼女もネトゲータウンを始めた。
なんで僕の親が反対していたかって言うとね。
彼女がバツイチだったこと。
彼女の両親が男性との付き合いを猛烈に反対してて、僕を絶対に受け入れないこと。
他にもいっぱい理由はあったかもしれない。
でも、なんとかしたい気持ちもあった。
ある日ね、事件が起きたんだ。
僕の親が彼女の家に電話をした。
反対してもなお付き合いを止めない僕達を別れさせる為。
「なんでそんなことするんだよ!おかんみたいな人間死んじゃえよ!」
罵声を吐いた。
僕の生活は、リアルもネットの中も殺伐としてたんだね。
僕はその出来事をネトゲータウンの日記に書いた。
まだまだ数少ない友達が日記の内容についてコメントをくれた。
『それは酷いね、彼女も傷付いたんだろうね。』
『反対されて付き合ってもうまくはいかない。お互いの親をキチンと説得して、隠れて付き合うのはやめよう。』
『親は唯一の存在。死ねなんて言った君を軽蔑しましゅ』
「ヤバイ・・・意見がまともだ・・・ネットって、キチンと話を聞いてくれる人もいるんだな」
スピ『少し日記に書いて気分が晴れた・・・みんなありがとう。言われた言葉、大事に胸に刻みます。』
「もう少し、ネットの世界に書き込みとかしてみようかな」
僕がネトゲータウンを始めた当初は殺伐とした雰囲気だったケンジのサークルも、ルールの改訂やら、叩き荒らしの利用者の退会とかで、だんだん和やかなムードになってきてて、
パチンコとかスロットの質問やら疑問なんかにも、知ってる知識で書き込みをするようになった。
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