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ところ変わって家の中。
テーブルにヘスティアと向かい合ったアイラは、先程の本やその他の文献を広げ、ヘスティアに読んで聞かせていた。
「かつてガイアと呼ばれた地はすでにない。神々が創り出した魔法祭具、すなわち光と闇のアーティファクトは、都のさらなる繁栄を与えたが、膨大なエネルギーの貯蓄により暴走、神々の阻止も虚しく、都は消滅した」
ダラダラとした棒読みだった。
「まぁ、調子に乗って魔法を使いすぎたんだろうさ」
最後に、アイラが吐き捨てるように感想を言う。
「魔法ってのは、使い方によっては便利なもんだけど、間違った使い方は身を滅ぼす。たとえ神だって例外はないってわけだ」
真剣な顔でアイラの話を聞いていたヘスティアは、意を決して口を開いた。
「アテナ様…今は、アイラ様でしたわね。わたくしを、そのガイアがあったとされる場所へ連れて行ってください!」
その申し出に、アイラはふっと微笑み答えた。
「嫌だ」
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