第1章 空から舞い降りた女神②

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「ここに来た時みたいに、飛んで帰ればいいじゃんよ」   ふと、アイラは思い付いたように言う。 神様なんだから、それくらいできてほしいところだ。   「…それが…」   神妙な顔でうつ向くヘスティア。   「それが…?」   何かあるのだろうか?   力を封印されてるとか…。   「その…ここに来るために、全ての力を使ってしまったんです」 「アホかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」   間抜けな返答に、アイラはおもいっきりヘスティアの首を掴み揺すぶった。   「節約して使えよ節約!!」 「く、苦しいですぅ~」   アイラは泣きたくなってきた。   そりゃ、こんなんが守護神なら都も滅びるわけだ…。   「ふぅ…。どっちにしろお断り。ここからダウィス島は遠いんだから。旅するにゃ金だってかかるし。それに…」   外には、あまり出たくない。   旅をするなら、どうしても人間の街を利用することになる。   それが…耐えられない。   そして――。   「…確かに、わたくしは旅費をお払いすることもできません。…ですが、ガイアの城が残されているなら、そこには宝物庫がありますわ。あの部屋は、どんな衝撃にも耐えられるようになっています。…だから…」   宝物庫…の言葉で、アイラの耳はダンボになった。   目がキラリと光る。
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