第1章 空から舞い降りた女神②

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「わたくし達、神々の頂点に立たれていたのは、絶対神・ゼウス様。アーティファクトの異変にいち早く気付いたのはアテナ様でしたが、ゼウス様もすぐに事態を収拾させるために有志を集ったのですわ」   当時のことを思い出すかのように、ヘスティアが語る。 どの神話にものっていない、真実の神話。   「その有志が、わたくしと戦いと知略の女神・アテナ様。荒ぶる戦いの神・アレス様。豊穣の女神・デメテル様ですわ」   守護神であるヘスティアが都を護り。   いかにして収めるかをアテナが提案し。   いかな事態にも対応できるよう戦える者を2名…アレスとアテナを配置し。   収拾後の後始末はデメテルが担う。   効率的な役割分担だった。   「ゼウスってのは、頭が切れるんだね」   これにはアイラも関心した。   「それはそうですわ。そもそも、アテナ様はゼウス様の頭から生まれたのですし…お2人とも、都で1、2を争う知識の賢者でした」   それ故に、ゼウスはアテナを疎んでいた。   いつか自分を越えるのではないか…と。   「ふ~ん」   ヘスティアはいまだに、アイラはアテナの生まれ代わりだと思っているようだが、アイラは関心がないようだった。   ……あの夢を見るまでは――。
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