🌸千本桜🌸

わがままお嬢様.

曾祖母はいつも私をみては
「べっぴんさんね～😌」
と言ってくれていた。
それをぼくはてっきり
「もっこす」と
勘違いしていた。
（もっこすとは肥後の方言で意地っ張りとかそういった意味。）
「べっぴんじゃないもん‼😡」
と言っていた。
言葉の力は偉大である。
せっかくべっぴんだった幼い寛子ちゃんは成長するにつれて自らのべっぴんを否定した通りにべっぴんじゃなくなった。
かなり惜しい話である。

曾祖父母の家には
祖母の妹夫婦が住んでいた。
詠子おばちゃんは
いつもなにかお菓子をくれた。いつもﾆｺﾆｺしていた。
母は保母養成所時代に曾祖父母宅に下宿していたため、詠子おばちゃんを姉のように慕っていた。
実際祖母と詠子おばちゃんは16歳違いで、詠子おばちゃんは３歳で叔母になった。母達とは姉妹のようだったのだ。

わがままお嬢様は
我が家にくるピアノの先生に興味を持った。
姉と兄のピアノの先生である。家庭訪問型だった。
姉と兄のレッスンが終わると、ぼくはいつも
「寛子も習いたい！」と身を乗り出した。
先生は
「○が書けるようになってからね😃」
と言っていた。
○を書ける基準が何故四歳か知らないが、
四歳になるのを待って、僕はピアノデビューをした。
最初はひたすら
「ド」
のみ。
最初の一週間で
「ピアノってめんどい😖」
と思った。
やっと「ド」が終わったと思ったら次の一週間は
「ド」と「レ」のフレーズ。
両手になるまで一年かかった気がする😱
やがてわがままお嬢様は
勝手に
「今日のレッスンを終わります‼」
と強制終了させる
わがままっぷりを発揮させるようになる。
しかしわがままもすぎると痛い目をみる。
練習不足だったりすると
先生は
「外に出なさい‼」
と家から出した。
いや、ここうちんちだっつうの✋
なんてつっこむ余裕なく玄関で立つことも何度かあった。
玄関で立っているとニヤニヤしながら父がかえってきてかなり気まずいというかばつの悪い空気が流れることもしばしばあった。

四歳といえば保育園に入った年でもある。
四歳で４月生まれは無条件に体がでかい。
わがままお嬢様は
ボス的存在になった。
それまで自分のことを名前で呼んでいたが、それを「私」と呼ぶ術を身につけた。何か恥ずかしかったんだろうね😁