554人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁ、だいじょぶだいじょぶ」
ニッコリと笑みを浮かべて、アーサーは言った。
その答えにホッと息を吐いた俺だったが、その直後に顔を背けてアーサーが口にした言葉が耳に入った。
「……多分」
「おいてめぇ!!今『多分』って言ったな!?多分って!!」
俺は箒を放り投げ、アーサーの首元をがっちりと掴み、ガクガクと音がするまでアーサーを揺さぶった。
「いやまぁほら、その手の材料は資金面やら核不拡散条約やら、入手方法調べてたら某国の黒服の人らにマークされたりで、結局手に入らなかったから混ぜてないし」
「手に入ったら入れるつもりだったんかい!!」
てか、もう誰でもいいから、こいつ逮捕して下さい。
「ん?でもそんな物騒なもんが入ってないなら、大丈夫なんじゃないか?」
その事に思い当たり、俺は腕をピタリと止めた。
ただし、アーサーの襟元はしっかり掴んだままで。
「フラスコの中でどんな反応が起こってたかはわからないけどね~」
「っておぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
俺は声を挙げながら、先程よりも更に激しくアーサーを揺さぶった。
何か時折、首が怪しい方向に揺れてる気もするが、構わず揺さぶり続ける。
きっと気のせいだ。
最初のコメントを投稿しよう!