「何それ?美味しいの?」

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「ほら見ろ!!もう最終段階だ!!」    近付いてきた“勇介”に怪しげなイケ(以下)は更に興奮した声を上げた。   「最終段階って……おいこれ、大丈夫か?」    そんな怪しいイケ(以下略)の言葉に勇介は不安げな声で疑問を投げかけた。  それもそのはず、勇介が近付いてくるまでの短い間にも、フラスコの泡は今にも吹き出しそうに細い口からボコボコと激しい音を立て始めていた。   「フッフッフ……」    そんな勇介の言葉に、怪しげなイケ(以下略)は人差し指を立てながら、わざとらしく笑って見せた。   「こんなのは序の口なのだよ!!という訳で~」    怪しげなイケ(以下略)の目に、それ以上に怪しげな光が宿る。   「お、おい、何だよ?」    その光に、勇介は思わず後ずさる。   が。   「はい指出して~」 「出してじゃねぇよ!!お前、俺の意志関係なしでガッチリ掴んでるじゃねぇか!!」    勇介の言う通り、怪しげなイケ(以下略)の手が、しっかと勇介の右手を捕まえていた。   「ちょっと血、借りるぞ?」    ニヤリと笑いながら言う怪しげなイケ(以下略)の手には、いつの間にかカッターナイフが握られていた。  鈍い銀色の刃に、アルコールランプの炎のオレンジ色が写り込む。   「ってちょ!!お前マジそれシャレになんねぇって!!」 「だぁいじょぶだいじょぶ」    軽く言いながらも、勇介の手を話そうとしない怪しげなイケ(以下略)の表情が、ニヤリとした笑いからニッコリとした笑みに変わる。  しかし、逆にそれが勇介の恐怖心を焚き付ける。  
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