「何それ?美味しいの?」

5/26
前へ
/472ページ
次へ
 理不尽な怪(以下略)の言動に勇介が、抗議の叫び声を上げたその瞬間だった。   「あ」    怪(以下略)が勇介の肩越しに何かに気付いて声を漏らし、   「あ?」    勇介は怪(以下略)の視線を辿って、その視界を背後に向け、   『伏せろっ!!』    二人が顔を見合わせるのと声をあげるの、そしてしゃがみ込むのと同時、やりとりに置いていかれていたフラスコが、爆発した。    飛び散るフラスコのガラス片と得体の知れない緑色の液体。    そしてフラスコの中から飛び散った緑色の液体が、勇介の目の前の床に落ちて、何かを溶かす音と共に煙をあげるのを勇介は見逃さなかった。   「…………」    その光景に、勇介はただただ言葉を失う。   「ふぅ……」    爆発で飛び散ったガラス片や、劇薬(?)と思しき液体がもう降ってこない事を確認して、怪(以下略)は立ち上がり、フラスコがあった机を眺めて口を開いた。   「残念っ!!」 「残念なのは、お前の頭だっ!!」    勇介は怪(以下略)の頭を、全力で叩き倒した。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

554人が本棚に入れています
本棚に追加