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理不尽な怪(以下略)の言動に勇介が、抗議の叫び声を上げたその瞬間だった。
「あ」
怪(以下略)が勇介の肩越しに何かに気付いて声を漏らし、
「あ?」
勇介は怪(以下略)の視線を辿って、その視界を背後に向け、
『伏せろっ!!』
二人が顔を見合わせるのと声をあげるの、そしてしゃがみ込むのと同時、やりとりに置いていかれていたフラスコが、爆発した。
飛び散るフラスコのガラス片と得体の知れない緑色の液体。
そしてフラスコの中から飛び散った緑色の液体が、勇介の目の前の床に落ちて、何かを溶かす音と共に煙をあげるのを勇介は見逃さなかった。
「…………」
その光景に、勇介はただただ言葉を失う。
「ふぅ……」
爆発で飛び散ったガラス片や、劇薬(?)と思しき液体がもう降ってこない事を確認して、怪(以下略)は立ち上がり、フラスコがあった机を眺めて口を開いた。
「残念っ!!」
「残念なのは、お前の頭だっ!!」
勇介は怪(以下略)の頭を、全力で叩き倒した。
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