「何それ?美味しいの?」

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「オリハルコン?何それ?美味しいの?」    俺は呆れ顔をしかめ顔に変えて、言ってやった。   「勇介」    そんな俺の両肩に、アーサーが「ポン」と両手を置いた。   「一回病院行っといで☆」 「何でだ!!」 「オリハルコンを知らないなんて、日本中探しても勇介くらいだぞ?」    そんな事を平然と言ってのけ、更に「常識ないなぁ」とまで付け加えやがった。   「どこの常識だそれは」    呆れてそれ以上の言葉が出てこない。  本当に、こいつの頭の中はどうなっているのだろうか。  機会があったら、かち割ってやる。   「俺の常識は日本の常識!!」 「満面の笑みで親指立てんな!!」    俺は再び溜め息を吐く。  これは本日一体何度目の溜め息だろうか。   「まぁ、冗談はおいといて」 「お前が言うと冗談に聞こえないんだが」    というか、お前も床の掃除手伝え。   「まぁまぁ。でも、オリハルコンって結構メジャーだと思うけど?ゲームなんかにも良く出てくるし」 「どんな?」    俺の疑問に、アーサーはちょっと待ってと言いながら自分のカバンの中をゴソゴソと漁り始めた。
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