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四十九日も過ぎて、納骨も終わった。お墓の前に一人の男性が立って居た。
『お前が隣に居ないなんて、俺は、これからどうすれば良いんだ。』
木の葉がヒラリと彼の肩に落ちた。
夏も終りに近づいて来て居た。彼女との思い出だけが駆け巡っていた。その直後、彼女もあの世で、自分の人生を走馬灯の様に体験していた。
『あっ私が産まれた時始めて、お母さんにあった時。あっ幼稚園に入園した時。小学生…。中学生…。高校生…。大学生…。そして社会人…。忘れない…彼と出会った時…。病気が解ってから…。本当懐かしい…。』
女性は、自分の死ぬ迄の人生を振り返って…。
『私、来世もお母さんの子供で産まれ来れるのかしら…。』
光が彼女を長い旅へと導いた。向日葵が沢山咲いた綺麗な道を歩いた。小鳥達が鳴いていた。私は、何処に向かっているんだろう。彼女は、長い道をひたすら歩いた。
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