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またこの季節がやってきた。
重い扉を開ければそこには、君と出会った頃と同じように桜がゆらりゆらりと揺れている。
独り桜並木を歩いていると昨日の事のように思い出す。
初めて君と手を繋いだ時の事。
初めて君とKissした時の事。
今まで何度も忘れようとしたのに、忘れられない君との思い出。
情けないから君にだけは気付かれないようにしてた。
だって未練たらたらなんて女々しい僕を見たら君はなんて言う?
僕だって君の前ではかっこいい僕でいたいから。
でも頭では分かっててもまだ涙は出てくるんだ。
君が初めて僕の涙を見た時綺麗って一言言ったよね。
こんな僕の涙も綺麗なのかな?
君が好きだった桜の花。
君の為に用意したこの桜の花。
花びらなら君の所まで届くかな?
帰り道、君との思い出の桜の樹の下。
僕はただただ悲しくて声を漏らして泣き崩れた。
僕の心はなんて脆いんだ。
泣き崩れながら君の幻影を見たよ。
どうしてこんなにも君を忘れられないのかな?
四月の暖かな風が涙で濡れた僕の頬をなでた。
優しく涙を拭ってくれるかのように。
そうだよね、僕が間違ってた。
君を愛し此からも僕は君を想い、愛し続けるよ。
君を忘れたりなんかしないから。
だから今はまだ、
「さようなら」
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