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背徳な街
創造者のエゴで塗られたセピア色の空…。
「そんなに急いで思い出にしなくても…」
オープンテラスで休息を取る堕天使…。
「もう休む事しか出来ないの?」
何処から聞こえてくる吟遊詩人の嘆き…。
「詩人なら詩を聴かせて!」
シュールリアリズムを唱える画家は今日も現実から逃げ夢を語り、旧約聖書を読み漁る独裁者は絶望に餓えています…。
「やれやれ…」
果たして彼らはこれから後悔をするのでしょうか…?
私はクスクス笑いテラスの隅の席に腰を下ろし暫くの間その情景を楽しんでいました。…自分がこの街に来た理由も忘れて…。
色々な想いが交差して絡み合いそして時間に溶けてゆく…そんな不思議な街…。
どれくらい時間が経ったのでしょう?
私はテラスの片隅で思い出したかの様におもむろにペンを取り手紙を書き始めました。
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