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そんな光景を横目に、こっちはこっちで昨日のテレビの話で盛り上がることにした。
まぁ…武人もいるのだけれど。
「見たか?」
「…もち」
俺にとっては三日前のことになる。危うく話についていけなくなるところだった。
「マジ楽しくない?棒使って6m跳んでさ、ドーン!ドーン!」
「あっはは!そう②数人の芸人も混ざり始めたヤツでしょ?」
と、そこへ武人が混ざり…
「同盟芸人団だろ?数人の芸人入ってきてさ、スパッツ手で伸ばしてんの!え…ちょっと待って、そろそろそれ破れるんじゃねぇ?ってぐらいに何回もやってさ!」
「あの後、ドーン落ちたよね?」
俺は武人ではない、友達に確認を求める。のだが…
「あぁ!あれっしょ?足は架ったけど、ギリギリで粉ん中に落ちて、真っ白になってるし、確か堕ちた団長だった気がした!」
「で、そこで…」
「ドーンドーンやってた芸人も堕ちた団長に拝んで―」
その説明を動作も付けるのが武人だ。
……始まった。
武人の自分中心会話。
いや、会話ではない…講話?説明?
最終的にはどうでもいい。
俺と友達は顔を見合わせ、苦笑した。
なぜか聞いていて楽しくない武人の話。
俺たちは武人の話が尽きるまで、黙って菓子を手に取り、聞き流していた。
……。
どれくらい時間がたっただろう。
……。
こいつ。
………。
話尽きねぇ…。
「隼聞いてんの?」
「え?あぁ聞いてるよ」
前の結果だと、武人は本当に喋らなかった。
だから俺たちは、普通に話していた。
これも自分が作り出した結果か…。諦めよう。
いや。駄目だ。
何とかして止めさせよう。
「武人、今日バイトだよな?そろそろ行って方がよくない?」
「あ、やべ!」
武人が急いで帰り支度を始める。
「じゃな!また明日!」
「お~」
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