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「それにしても、どうして瞹僮さんわかったんですか?聡吏くんが来たこと」
聡吏を連れ、楓は社長室へと来ていた。
「ボーッと監視カメラ眺めてたら高校生くらいの子が入ってきたから、もしかしたらそうかなって」
「つまり仕事をしてなかったと」
「あはは…考え事してました」
燈滸に深く頭を下げる瞹僮は苦笑いを浮かべている。
「まぁ、仕事しすぎるよりはいいですけど」
「それはそうと、楓ちゃん、まとまったんでしょ?おめでとう」
「ありがとうございます。でも、まだまだ仕事しますから」
久しぶりに心の底から笑い合えた気がした。
辛いわけじゃなかったと言えば嘘になるけれど、今が幸せならば辛かったことなんて苦にもならない。
あの日、出会えて良かったと思える。
好きになって良かったと…
ありがとう…
そう伝えるのは恥ずかしいから、もう少しあとで…
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