考事

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眠たいのに寝つけないでいた。 (いつかは…知られるとは思ってたけど…こんなに早いとは思ってなかったからなぁ…) 深く、深くため息。 静かな部屋に大きく響いた気がした。 (なるようになる、か…) 仰向けになり目を閉じる。 考えることが元から嫌いな楓は、悩むことを放棄し寝始めた。 誰かに頼ることはできない。 したとしても、決めるのは結局自分自身。 だから悩むのをやめた。 どうしても自分で答えが見つからなければ、誰かに悩みを聞いてもらう。 ただ聞いてもらうだけでいい。 その先は自分で答えを出す。 そして、今回出した結論は── 自分からは会いに行かない。 向こうから来たら、その時きちんと話す。 何を言われようと、自分の意思を貫くつもりだ。 その思いを胸に楓は深い眠りについた。
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