再愛

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secret HOTEL── そびえ立つホテルを前に、珍しく緊張の色を隠せない。 高校生である自分が突然訪ねて行って、果たして取り次いでもらえるだろうか… もしかしたら門前払い? 考えが弱気になっていた。 休日の昼間、ホテルを利用する者が多いのか、入り口からは絶えず人が出たり入ったりしている。 (…今日、休みだったりして…) そういえば…と思い出す。 楓は休日出勤はあまりしていなかった、と… はぁ~っと盛大にため息をつき、躊躇う足を近くのベンチに向けた。 ここまで来たのに、やっぱりまだ躊躇ってしまう。 あんな別れ方をした手前、どんな顔をしていいのかがわからない。 あの笑顔はもう見られないのだろうか… 会った時、逃げたりしないだろうか… そんな考えばかりが頭を巡る。 (ダメじゃん…マイナスなことばっか考えてたら前に進めないだろ…) 立ち上がり、もう一度ホテルの入り口を見た。 よし、行こう。 そう決意して一歩踏み出す。 一歩一歩、ゆっくりと。 確実に。
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