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エレベーターに乗り込み考える。
(ここまで来て…なんて言えばいいのかな…)
まだ悩んでいた。
(…もういいや!楓さんに会ってゆっくり話ができれば)
19階に着き、渡された鍵の番号の部屋まで行く。
そこにはドアにVIPと書かれていた。
(いいのかな…)
苦笑いを浮かべつつ、鍵を開け中に入る。
中は一言で言えば豪華。
広すぎ…と思いつつ、ソファーに座る。
が、落ち着かない。
いつ来る?すぐ来る?
と、チラチラとドアを何度も見る。
コンコン。
──緊張MAX。
入って来たのは、目に映るのは…愛しい人。
「…久しぶりって言ったらいいのかな…」
久しぶりに見るその姿…久しぶりに聞くその声…
抱きしめたい…
その全てを…
「聡吏くん…?」
「…名前…呼んでくれるの?」
また名前を呼んでくれたことが嬉しかった。
ただそれだけで心が踊る。
でも、表情には出せない。
目の前にいる楓は浮かない表情をしていたから。
「楓さん、俺…」
言葉が続かない。
何を言えばいいのか…
回らない頭で言葉を考える。
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