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「きっと…花さんがいるからね。
花さんの存在が龍ちゃんの支えになってるから…」
花はふるふると首を横に振りながら、唇を噛み締める。
そんな花の手を取って、真由美は優しく微笑み、ありがとうとつぶやいて去っていった。
真由美の気持ちが痛くて、嬉しくて、切なくて。
花の胸は再び熱くなる。
そして歩き出したその時。
不意に何かの音が聞こえてきた。
かすかではあるが、確実にその音は花の耳に届いている。
花は首をかしげて、音の原因を探るためにまた歩き出した。
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