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「…何してんだあいつ…」
重苦しい沈黙を打ち消すように龍太郎がつぶやく。
誰よりも落ち着かないのは龍太郎のはずなのに。
一番平静を保っているように見えるのは、もう吹っ切れたからだろうか。
その時。
ノックもなしに突然扉が開いた。
全員が勢いよく振り返ると、そこには笑みを浮かべた龍也の姿があった。
「久しぶりだな。
家族全員そろうなんて。
何年ぶりだ?」
そう言いながら歩み寄る龍也に、龍太郎は鋭い視線を送る。
「…一体どれだけ待たせるんだ。
その自分中心な性格、いい加減直せよ」
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