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『えぇー?!?!』
花と龍太郎が大声で叫ぶ。
「な…何だよそれ!
じゃあお前、話し合う前から跡取りになる気はなかったってことか?!」
龍太郎が戸惑いながら尋ねると、龍也はいたって冷静に答えた。
「なる気がなかったわけじゃねぇよ。
あきらめたの。
花ちゃんの話聞いてお前の覚悟は痛感したし、ってことはオヤジの答えも読めたから」
龍太郎は運転しながらも頭を抱え、ふと違和感を感じたように首を傾げた。
「花の話って…
話し合いの前にお前ら顔合わせたのか?」
花は何となく気まずさを感じ、苦笑いを浮かべて戸惑う。
「えっとー…
どうだったかな…」
すると突然。
助手席に座っている花を、後部座席の龍也が後ろから抱きしめた。
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