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花と龍太郎は、小学生のころのクラスメイトだった。
ひ弱で大人しく、しょっちゅういじめられていた龍太郎を花がよくかばったものだった。
《みんなしてなぁちゃん1人いじめるなんて最低!》
幼い花が周りにいた男子に叫び、泣きながら小さくなっている幼い日の龍太郎に声をかける。
《大丈夫?なぁちゃん》
その言葉に龍太郎が顔をあげ、とびきりの笑顔を花に向ける。
《花ちゃん、いつもありがとう》
「…ほんとに?ほんとになぁちゃんなの?」
感極まった花が思わず龍太郎のYシャツを握ると、龍太郎は花の手首を思い切り掴んで引き離した。
「二度とその呼び方を口にするな」
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