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「あなた、自分がなにをしたのかわかってるの!!」
なぜだろう……。
「うわ、なんかあったの?」
「なんかあそこにいる子がねー――」
僕は取材のためにここにいただけだ。
部長から【校長先生への取材】という大役を仰せつかって、放課後、時間通りに校長室に来ただけだった。
それなのに――
チリ一つない絨毯の上に置かれた机はまだ黒い煙をうっすらとあげており、
その上には黒コゲの紙の山、真っ黒になった半開きのタバコの箱とマッチ箱、空っぽなのに煤まみれの金属製の灰皿、硝子玉の中身をくりぬいたような形の金魚鉢、
等々が、揃いも揃って異臭を放っている。
特に箱ごと燃えたマッチと煙草の匂いは強烈で、窓を全開にしているのに未だに臭いが消えない。
おまけにソファには、ショックでぶっ倒れてしまった校長先生が寝かされている。
そして、そんなことよりも重大な事実が、
「一体どういうつもりでこんな事をしたのっ!?」
僕がその実行犯と確定しつつあるということだ。
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