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落ち着く為に、簡単に脳内情報を再生しよう。
僕の名前は廻神 巡【エガミ メグル】
私立雨園【アマゾノ】高等学校一年三組新聞部に所属。
今日は演劇部の緊急会議で部にこれなくなった副部長の代わりに、
校長先生に今年の一年生についての取材をすることになり、校長室に来て――
今に至る。
いや、僕が校長室に入ってから今の状態になるまで十分ぐらいあったけど、その間の色々な出来事
――火の手が上がる机を見て驚愕したり、別の戸から入ってきた教頭先生が悲鳴あげたり、金魚鉢の水で火を消したり、悲鳴を聞いて駆け付けた校長先生が机を見た途端泡吹いて倒れたり――
は、内容が濃い上に話に関係なさそうなので割愛させてもらおう。
「ちょっとあなた!!聞いてるの!?」
教頭のヒステリックな声により、僕は我にかえった。
あぁ、やっぱり夢じゃなかったか。
実は僕が見た白昼夢でした、ってオチだったらどんなによかったか。
「はい、聞いてます」
「一体どういうつもりでこんな事したの!?」
「ですから、僕じゃありませんってさっきから言ってるじゃないですか」
「嘘をつくな、白々しい!!」
いつの間にかやって来た学年主任の教師が怒鳴った。
見れば入り口にいたやじうまがいなくなっている。
彼が追い払ったのだろう。
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