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「僕はそんな病んだ人間じゃありません!!」
「しかし、実際に実行できる人間はお前だけなんだぞ。お前以外、校長先生が部屋を出てから入った人間はいないんだ」
その校長先生が犯人って可能性は――ないな。
それこそ彼に動機はない。
てか、通知表燃やされて一番ショック受けてるのは校長先生だし。
まぁ、誰だって自分が苦労して進めた仕事を台無しにされたらショックだよな。
「でも、本当に僕以外の人間はこの部屋に入らなかったんですか?」
僕が犯人とされる状況証拠は揃ってしまっている。
沈黙は自分が犯人と認めるに等しい。
とにかく喋ることだ。
容疑者、僕。弁護人、僕。
被害者、校長先生。検察官、学年主任。
「職員室側からは誰も出入りしていないのは教頭先生から確認済みだ」
教頭はうなずく。
「じゃあ廊下側は?」
「お前は気づかなかったようだが、俺はずっと校長室近くの廊下に立っていたんだ」
学年主任はニヤリと笑った。
「しかも俺だけじゃない。生徒が一人、俺と一緒にお前が校長室に入って行くのを見ている」
その言葉を合図にしたように、廊下側の戸が開いた。
「先生、まだ時間かかるんすか?」
「おう、アリサカ、丁度よかった!!」
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