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「勿論、乳がんになったら必ず飛び出してくる訳じゃないけど・・・再発で皮膚から露出するのは珍しくないよ。
まれに、飛び出して来てから初めて受診する人がいて、どうしてこんなになるまで放置してたの!?って仰天することもあるけどね。
要は、早く見つかればおっぱいの中で止まるってこと」
私は、見事にまでのいじられキャラ娘、佐渡あずさ24歳を見つめ小さな笑みを浮かべた。
「やっぱり早期発見、早期治療ですよね!そう言えば私、時々胸が痛い時があるんですよ。
最近は若い人にも乳がんが増えてるって言うし、心配だから私も西島先生に診てもらった方がいいですよね!」
「おバカ!乳がんは痛くないの!痛みがあるのはほとんどが乳腺症!あんたは乳腺チームなんだからもっと勉強しなさい!専門職たるもの、無知を恥だと思いなさい!はい、看護学校からやり直し!!」
再びユリさんの厳しい喝が入る。
露出してくる程に成長した場合は例外として、医学書上「乳がんは痛みを伴わない」が基本中の基本。
痛みを心配して受診する患者さんも多いが、『痛み=乳がんの疑い』ではない。
生理周期など、時期によって出たり消えたりする痛みならばなおさら心配は要らない。
乳腺症とは、病気と言うより女性ホルモンの影響によって起こる生理的現象の一環としてそう呼ぶ。
乳腺症による症状(痛み・張り)は、閉経前の女性に多いが大抵は年齢と共に症状は緩和してくる。
乳腺症があると、常に細胞の増殖が活発なため、画像診断をする上で乳がんなどの本当の病気が見つかりにくい現状がある。
したがって、乳腺症自体を注意して診ていく必要は無いが、毎年の乳がん健診は強くお勧めしたい。
自覚症状で私達が重要視するのは、痛みよりも「しこりを感じる」「突っ張る感じがする」「よく分からないけど違和感がある」などの訴えだ。
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