続・救急外来に訪れる人々 シリーズ part 3

胸に咲く桜

以前、「なんかザワザワする」と言って受診した患者さんがいた。

マンモグラフィーを撮影したが何も写らない。

しかし、エコー検査をすると１㎝にも満たない超初期の小さな乳がんが発見されたのだ。

「ザワザワ」で自らの乳がんを見つけ出した、超能力と言っても過言ではない、素晴らしい感知能力。

その人の乳腺の重なり方にもよるが、発生したての１㎝以下の乳がんは、マンモグラフィーに写らない場合も多々ある。

素晴らしい感知能力を持ったそのおば様が、もしその時、乳腺外来ではなく一般健診でマンモグラフィーのみを受けていたら・・・

間違いなく１年後の・・・毎年健診を受けないとすれば、がん細胞はスクスクと成長しながら数年後の健診まで放置されていただろう。

ザワザワだろうが、サワサワだろうが、プ二プ二だろうが、違和感を軽視してはいけないのだ。