0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
あれから2年間、健一はただ生活の為に会社に行き、
やる気を出すでもなく与えられた仕事をこなし、
家に帰ればただただ酒を煽り、
休みの日といえば缶ビールを片手にテレビを観るでもなくただただ眺めていた。
2年間死んだように生き、生きているように死んでいたのだ。
別れた妻とはなんの連絡も取っていない。
10歳になったはずの娘にも会っていない。
娘に会いたい気持ちはあった。
会おうとすれば会えただろう。
でも彼はそうしなかった。
と、言うよりもなにもしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!