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「あっ、兄貴―!」
体育館の入り口に、体を目一杯のばし、手を振る女の子が視界に入った。
それは中学三年になる、俺の妹だった。
中学三年生と言うと、結構大人っぽい子が増えてきている昨今、俺の妹、桐島姫瑠(きりしま ひめる)は小学生くらいから大して成長がみられない少数派だった。
「姫瑠(ひめる)。俺今からミーティングだから待ってて。」
「ういぃ。」
と敬礼をして姫瑠は応えた。
俺、桐島佳景(きりしま かけい)は今年、この北海道、旭川私立北日本学院大学付属高等学校(通称・日学)にバドミントンのスポーツ推薦で入学した。
ここはバドミントンで北海道内トップの実績があり、部員もレベルが高く、練習メニューも充実している。
時間は7時過ぎ。
練習を終えて片付けをしている体育館内で、姫瑠は隅で小さく座っていた。
片付けに戻ると、部員全員からスゴい目で見られている事に気づいた。
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