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少女はその紅い瞳を揺らしながら言った。
「コラ、アクト。入学式はサボっちゃダメだぞ」
不意に風が吹き、少女の髪を揺らしながら過ぎていく。
その風に起こされたかのように、少年はまた大きな欠伸をした。そして起き上がった。
少年は見た目が幼く見えるくらいの身長ではあったが、髪は肩まであり、ツンツンした感じになっている。
そして色はと言うと灰色だが、銀色に近く、見る人によっては銀色に見えるだろう。
その少年は綺麗な蒼色の瞳を擦りながら眠たそうにしている。
「ふぁ……」
そして少年、アクトはまた大きな欠伸をしながら、伸びをしその少女に言う。
「分かったよ、シーシア」
シーシアと呼ばれた少女は満足そうにその綺麗な髪を揺らしながら言った。
「わかればよろしい」
「へいへい」
「さあ早く行くぞ」
少女は強気な性格なのだろう、上品な気品を浮かべ、そこらの貴族並に威厳のある態度をしている。
そして二人は話しながら賑やかな城下街の方へと歩いていった。
そんな少年たちを見ている人陰があった。
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