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「これから3年間、また忙しくなりそうだね」
登校してくる生徒達を眺めながらタカッチは後ろで机に寄り掛かっている一人の男子生徒に声を掛ける。
タカッチの言葉に、その生徒は意味ありげに、にっと笑いながらひらひら手を振って答える。
「今年からまたよろしく!タカッチせ~んせっ」
タカッチはその生徒の態度に、優しく微笑みながらも呆れた溜息を漏らした。
「ぶくく…っ!そんな顔すんなって先生。
まっ、あの人に迷惑が掛かんない程度には暴れる予定だけどね~🎵」
タカッチの背中を軽く叩き、生徒はまたひらひらと手を振りながら廊下へと姿を消していった。
タカッチはその姿が消えて行った方向をしばらく見つめてから、軽く頭を振ってまた優しい溜息を漏らす。
「まったく…彼は名前も行動も全てにおいて不可解だなぁ」
そう呟いた言葉は、静かな部屋にこだまして溶けていった。
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