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校門をくぐり抜けてしばらく桜並木が続く道を歩くと、少し開けた場所に広場があり、そこには生徒が寛げる様にとベンチが処々に設置されている。
そしてその隅の掲示板にはクラス分けの掲示があり、生徒達が見上げながらわいわいと賑わっている。
なにやら喜びあったり、寂しがったりしている人達もいれば、一人で不安げに掲示板を見上げている人もいる。
その人込みの中に、例に漏れず掲示板を見上げながら、一人呟く少女がいた。
「…ふ~ん。2組、か」
彼女の名前は瀬奈美。
少し悪戯な眼差しが印象的な少女だ。
パシン❗
掲示板を見上げる瀬奈美の肩を、誰かが勢いよく叩くと同時に、明るい声が掛けられた。
「瀬奈美ちゃんおっはよっ。何組だった?ちなみに私は2組だったよ➰」
「びっ……くりしたぁ。マキちゃんかぁ💨」
急に肩を叩かれたので、瀬奈美は相当驚いた様子だ。
「わぁ❗ごめんっ。なんか見かけたらテンション上がっちゃって…💧」
マキリーヌは「あはは」と申し訳なさそうに頬をかいた。
その顔が何だか可愛くてつい許してしまいたくなったが、ちょっと悪戯心のある瀬奈美は、にやりと不敵に笑ってマキリーヌの背中めがけて、手を振り上げた。
バッシーン‼
「いったぁ‼」
「へへん。さっきのお返し~🎵これでお互い恨みっこなしねっ」
「ちょ…⁉今のは確実に私のが痛いって❗」
そんな風に、話しじゃれ合いながら二人は朝日に照らされた校舎へ歩いて行った。
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