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一方、もうすぐ入学式が行われる体育館の周りを、キョロキョロと辺りを見回しながら小柄な少女が不安げな面持ちで歩いている。
「はぁ。どうしよぅ…」
今にも泣き出しそうなその少女は、どうやら迷っている様子だ。
誰か人が居ないかと探しているものの、入学式直前の為、体育館は準備が滞りなく終えられており作業をしている人は誰もいなかった。
「こっ、このまま教室戻れなかったら…」
そう口に出した途端、不安な気持ちが現実になりそうで、ますます少女を心細くさせた。
そのせいか、少女はついに立ち止まり俯いてしまった。
「……っ」
少女の不安が、ピークに達しようとしたその時。
どこからともなく不思議な歌声が聞こえてきた。
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