マロングラッセ

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ここまで偉そうにしてきた私にもネタはある。それはある食べ物に関する話だ。『マロングラッセ』…王侯貴族がお洒落な銀食器の上に置いて摘んでそうなコイツが、私は昔から苦手だった。天津甘栗は大好きだがマロングラッセは嫌い…とハッキリしていた為、プレゼントで戴けば(内心)ガッカリしたし口にすることはなかった。そんなある日、遊びに行った友人宅でホワイトデーのお返しにもらったというマロングラッセがテーブルに登場した。聞けば友人も好きではないと言う。そこで私は思い出した!これはネズミちゃんの好物だったと!確か、三時のおやつによく出たと聞いた覚えがある。彼が好きだと告げると、ネズミちゃんを知る彼女はマロングラッセをお土産としてくれたのだった。帰宅後、夕飯を作っているとネズミちゃんが仕事から帰ってきた。「お帰り~○●ちゃんからマロングラッセもらったよ♪」「後で食べるわ~あぁ…疲れた~今日さ~」この時、彼の仕事の話やら何やらでマロングラッセから話題がナチュラルに遠退いた覚えがある。その後、彼が好きなペースで勝手に食べて箱は消えた。何日か立った後、ふと思い出した私が口にした。「(君のイメージに合わないけど)そういえばさぁ…マロングラッセ好きだよね?」と告げると不安げな顔を浮かべて考えている。「んー…あんまり好きじゃないよ」「え!嘘!好物でしょ?」「??…どっちかって言うと嫌いかなぁ…?」「えぇー!」「あんまり食べたことないし…」「え!三時のおやつによく出たって…」「俺ん家でそんなもん出る訳ないじゃん」…そうだ。確かにそうだ。私ん家でも出たことないわ。お互いマロングラッセがおやつでよく出るような家庭に生まれてません!じゃあ私のこの記憶は何?どこから来てるの??…混乱しましたよ、ハッキリ言って(笑)マロングラッセが出るようなお家の子…マロングラッセ…金持ちの象徴みたいな三時のおやつ……あ!わかった!その金持ちの子とは…私の元彼だ!三年ぐらい付き合った同い年の男でイイトコのボンボンだった!彼がマロングラッセを好きだったんだ!とやっと思い出した。ネズミちゃんに「おかしいと思った~この間もマロングラッセ好きだよね?とか言うから~」馬鹿!そん時言え!(笑)しかし、これは申し開きの出来ない『思い込み』だ。痛恨のミス。スイマセンとさすがの私も謝りました。数年後、綺麗さっぱり忘れて再度、好物と間違えたんだけどね(笑)
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