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全く…!なんなんだこの学校は!?
噂と全く違うじゃないか!
俺は何とか最後まで愛想笑いを保って応接室をでた。
今は表情を崩し、不機嫌を露わにして廊下をずんずんと進んでいる。
どうせ入学式からだいぶ時間のたった校舎になど人は殆どいない。
受験前に調べたこの学校の印象にあんなふざけた校長がいるなどという情報はなかったはず。
あ、いやでも『校長は温和な雰囲気』という情報もそういえばあったな。
しかし!あれは温和という域を越えているだろう…
やはり、印象のリサーチは軽くしかせずに偏差値と世間体を重視してしまったのは迂闊だったか。
「…だが、公立で、しかも二番手の偏差値の高さの所などに行けば……あいつが」
チッ、と舌打ちをして立ち止まり壁に両手をつく。
本当に…
「腹が立つっ」
ガン、と自ら自分の額を壁にぶつけた。
痛みは特にない。それは俺が角度や距離、ぶつける速さを瞬時に計算して痛みが最小限になるぶつけ方をしたからだ。
これが俺が天才といわれる所以。
少し、苦笑した。俺は正に計算づくだ。
いらいらが募って本当は拳を壁に叩きつけてやりたくもなるが見える所に傷をつけるわけにはいかない。
額だったら前髪が隠してくれるだろうからこんな方法でストレスの解消を図る。
人に見られたら狂人とでも間違われかねないだろうから勿論人が近くにいないことは確認済み。
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