54258人が本棚に入れています
本棚に追加
─────…
誰もいない控え室
「先輩
お疲れ様でした
本当に強いんですねっ」
柳瀬は俺の手当てをしながら
小さくはにかんだ
「当たり前だ」
俺はふんっと鼻を鳴らすと
柳瀬を見つめた
柳瀬のこと…
さっきまで煩わしいと
思っていたのに…
今は、こんなに…
すると
突然柳瀬が顔を上げ
無邪気な笑顔を浮かべた
「藤永先輩
カッコ良かったです!!」
俺の胸に、何かが突き刺さった
今まで女に
カッコいいなんて
何百回、
何千回と言われてきた
なのに
この胸を押し潰すような
甘い感覚はなんだ?
俺、今
純粋に嬉しいと思ってる
.
最初のコメントを投稿しよう!