境界線

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白銀の髪 俺の大好きな色 金色の瞳 俺と同じ瞳の色 キラキラしてて、とても綺麗 初めて会った時、アンタは魔界に潜り込んでいた 真っ黒なローブに身を包み、他の悪魔に紛れてた でも、俺がアンタを天使だと見破ってしまった だから、アンタはいつも俺に付き纏ってた “初めまして。可愛い悪魔さん” そう言われた 初めて言われた言葉だったから、恥ずかしくてつい、憎まれ口を叩いた ねぇ 俺、アンタの白銀の髪も キラキラの金色の瞳も スケベだけど優しい性格も 全部、好き 好き 好き アンタの キスも 手も 声も 全部が、大好き 好き 好き “一目惚れでした” “愛しています” “アンタが、愛しい” でも、すべて言葉にできないんだ アンタは天使で 俺は悪魔 白と黒 天と地 決して相容れない領域 せめてさ、同種族に産まれたかったよ そうすれば離れなくて済んだ アンタの側にいれたのに 天使でも悪魔でも、アンタの側にいたい 愛してるから、俺はアンタを受け入れないよ 好き 好き 名前も知らないアンタだけど この気持ちは本物だっていえるよ どうか 次は境界線がない種族に 一緒に産まれますように…―――  
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