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ビルに入るといきなり突風が吹き抜けた。
「‥‥ダンナ。こりゃ絶対、歓迎ムードってわけじゃないですぜ。
てか、帰れって言ってる感じが。」
拳銃から声が聞こえると仮面の男がうなだれれた。
「そいつを味方に付けろって家の姫様も、ベロも無茶を言うよな~…。」
「けど、A.O.Aか魔軍連盟に入れば確実にアタイらの障害になるは明確ですぜ。」
「つか、まず相手はお前の、」と言おうとしたその時、又しても突風が吹き荒れ聞き取れなかった。
中に進入するにつれて、風は強くなっていった。
時折、雨水も混っており、風と雨で仮面が無ければまともに目を開ける事ができないほどだった。
「あぁ、うざったい。」
仮面の男は弱音を吐きながら、角を曲がると突然、まるで台風の目の様に風が止んだ。
(なんだ?)
仮面の男は入った部屋を警戒し確認した。
そこは、部屋とは言いにくかった。
一階のはずなのに天井が無く何かに突き刺された後のように月光が天から地面を貫いてあった。
横も壁が幾つか破壊され、半壊のものや全壊のものまで疎(マバ)らに点在してある。
「ダンナ、女の子がいるぜ。」
仮面の男が声に呼ばれ正面を見ると瓦礫の上に高校生だろうか、少女が器用に立っていた。
少女の姿は、月光に照らされ顔から足までハッキリ見れた。
仮面の男は息を飲むと瓦礫をかき分けながら少女に近付いて行った。
「誰だ。」
刹那、声が聞こえた。
仮面の男が振り向くとそこには翡翠色の甲冑(カッチュウ)を身に着けた巨人がいた。
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