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沖田は訓練が終わると海藤を連れて近藤の部屋に向かった。
「近藤さん、海藤を連れて来ましたよ。」
「入れてくれ」
沖田は海藤と近藤の部屋に入った。
「海藤、お前は何のためにここに呼ばれたのかわかっているか。」海藤は首を横に振った。
「わかりません。オレなにかしましたか。」
「いや、お前は何もしていない。しかし、お前にやってもらおうと思っていることがある。」
「はい?」
「お前は寺の跡取りだったらしいな。なら、霊感はあるか。」
「はい。一応あります。普通の人よりはありますね。」
それを聞いて近藤はニコッと笑った。
「それを聞いて安心した。お前にやってもらうことは新撰組・零番隊の隊長だ!」
海藤は驚いた。そして沖田も驚いた。
「オレがですか!?まだ入隊してたいして日がたってないのに」
「そうですよ近藤さん!まだ海藤は戦闘出来るほどの剣の腕前ではありませんよ!」
そうだ、海藤は新人隊士の中で秀でているとはいえまだ戦えるほどではない。だが、近藤はそのことも考えていた。
「大丈夫だ。今日から一週間、海藤は実戦訓練をしてもらう。相手は沖田!お前と斎藤だ。」
「えー!?」
海藤よりも先に沖田が驚いた。
「なんで私なんですか!?永倉さんとか藤堂とかいるじゃないですか!」
沖田の反論は近藤には聞きいれてもらえなかった。
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