中学最後の春

1/2
5074人が本棚に入れています
本棚に追加
/305ページ

中学最後の春

「ハッ…ハッ…ハッ…」  息を切らしながらランニングをする、こんなことをしても今更としか感じないのに… タッタッ…ザッ! 「ハァハァ…」  2年以上前ならばこれくらいの距離でへばりはしなかった、情けないほど体力が落ちている。 「なにやってんだろ、俺。高校で野球やるわけでもないのに」  俺の名前は桐崎健吾(きりさきけんご)。中学では一年とちょっと野球を経験。身長も平均で細身で非力な俺は、野球は好きでも活躍できる選手にはなれなかった。 「まぁいいや、あとは適当に投げ込んであがろう」  好き…というか憧れのポジションは…ピッチャーだ…。
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!