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ある日一人の少女がおりました。
少女はとても大きなお家に住んでいました。
少女はいつもくまさんのぬいぐるみを持っていました。
少女は広いお部屋でいつもくまさんとお話をして日暮れを待つのが日課でした。
広いだけのお部屋にただくまさんとただお話をするだけ。
少女には親はありません。
少女は酷く青い空が嫌いでした。
だからいつも夜になって目を覚ましありったけの言葉で世を憎みました。
少女はいつも幻を見ていました。
部屋中の玩具が少女を取り囲んで行進をするのです。
少女には寂しさが分かりません。
そんな少女におもちゃの兵隊が唄を歌ってくれるのです。
とても不似合いでとても愉快なお歌を。
少女は毎晩その行進を繰り返し聴くのです。
兵隊は声にする。
『アナタこそ正義』
『今こそ命令を…』
『我主人はくまさんを抱いた可愛い少女』
『とてもとても可愛い少女』
玩具は少女が眠くなるまで楽しいパレードを繰り返す。
そして月が沈むと冷たくなって動かなくなる。
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